フランス2024 その四 パリで食す
Posté par Kumi le 29 décembre 2024
そして、旅の最大の楽しみと言えばなんといっても食!
食いしん坊を自称する私のパリでの目的の一つです。
しかし、円安の影響は計り知れず、レストランのランチ定食でもワインを一杯つけたらもう5,000円超!
外食にはそう気軽に足を運べるものではありません。
でも、ここでしか味わえないものを諦めたくない。そんなときの強い味方、Chef Damien のお店「750g La Table」に行ってみました!
750g La Table
コロナ禍でどこにも行けなかった頃、SNSで知ったシェフダミアンは、手に入りやすい食材とシンプルな調理法で美味しくできるレシピ動画を公開していていました。シェフというより料理好きのお父さんと言った親しみやすい風貌で、トークも楽しく、コロナで沈んでいた私の心を大いに癒してくれました。パリの外れでレストランをやっていると知り、これは行ってみなければ!と心に決めていました。
店に着くと、まだ昼前なのに満席!しかもぎゅうぎゅう!混んでいると言ってもここまでの繁盛ぶりは中々見られません。それもそのはず、ランチとはいえセットメニューが今どき16ユーロから!これは安い!そして、カウンターにはダミアンの姿。いつも通り隣のお父さんみたい(笑)「あなたに会いに日本から来ました」という大げさな挨拶にも「君みたいなファンが僕には星の数ほどいるよ^^」と、さらっと。期待を裏切らないいつも通りに更にファンになりました。兎に角お客さんが引きも切らず、カウンターも厨房も、てんやわんやという感じがいかにもダミアンらしい。
さて、肝心のお料理は・・・これもまた期待を裏切らない美味しさ、しかもこんなに混んでるのにサービスの早いこと!新鮮な材料にダミアンらしいアフリカや中東を思わせるスパイスの効かせ方。伝統的なフランス料理にありがちなガツンと重い味付けでなく、するっと入って胃にもたれない。量も「もう少し食べられるかな?」というぐらいで、デザートを思いとどまることなく注文できる絶妙なquantité。そして安い!ダミアンのファンでなくとも、これで店が流行らないはずがありません
Caves Pétrissans
さて、円高であっても、私にはパリに来たら絶対に外せないお気に入りのビストロがあります。17区というちょっとハイソなエリアにある「Caves Pétrissans」ここは、カーブを併設しているレストラン。伝統的なフランス料理を最高のサービスで提供してくれます。
この店のポイントは、お店で販売しているワインがそのままの価格で料理に合わせられるところ。一本買うのと同じ値段だから、一般的なレストラン価格よりずっとお得。フランス中の素晴らしいワインが懐具合に合わせて選び放題とは有り難い。料理は、美味しいものは変わらずに受け継がれていくといった、不動の正統派フレンチ。そして、スタッフ全員がワインのプロで、好みと予算を伝えれば、料理に合った最良の一杯をお勧めしてくれます。もちろん、ワインだけでなく、食前酒から食後酒まで!吞兵衛にはこれ程魅力的なサービスはありません。しかも、みんなとってもフレンドリー。
美食の都パリには数多のレストランがあるけれど、無論そのどれもが素晴らしいわけではありません。納得できる一店に出会えるかどうかは賭けのようなもの。しかもフランスの飲食店は日本よりずっと高いので、彼らは頻繁に外食をしません。だからこそ、外で食べる時は味だけでなく最高の時間を過ごしたいと考えます。心まで満足させるサービスがこの店にはある!こんな店に出会えたら、もう浮気は出来ません(笑)
Le Cordon Bleu
更に、この春は初体験!なんとLe Cordon Bleu のアトリエに参加しました!物心ついてから、常に食べ物のことを考えていたほど食いしん坊の私。子供の時分には母が購読していた婦人雑誌の料理ページを穴が開くほど読み込んでいました。そして、当時の料理番組で知った美食の宝庫フランスという国。そのバリエーション豊かな料理に魅せられ、いつの日かコルドンブルーやリッツのキッチンで料理を習いたいと大いなる憧れを抱いていました。大人になって、本やテレビの中ではないフランスという国の素顔を知り、その憧れは少しずつ薄れてはきましたが(笑)、なんといっても天下のコルドンブルーです。話の種に一度はみておきたいではないですか!私が参加したのは、一番手軽なお菓子を一品作って試食する約3時間のコース。全くお料理ができない人でも参加できます。
Hôtel de la Marine の煌びやかな建物内にアトリエが構えらていて、英語の通訳付きでどちらかというとちょっと変わったことを体験したいという観光客向け。他にはもっとプロフェッショナルなお菓子やフルコースを作るコース、ワインのデギュスタシオンコースなど様々。もちろん、受講料はどんどん上がっていきます💦さて、当日の朝、ちょっとドキドキして受付で予約の名前を言うと、お姉さんが恭しく「コートをお預かりします。」と。流石はコルドンブルー。待合室には美しいガラスの戸棚があって、オリジナルグッツが並べられています。アトリエは調理台が6つと思いのほかシンプル。
今日作るのはgâteau basque。サブレとケーキの中間のような生地にさくらんぼのシロップ煮を挟んだバスク地方の伝統菓子です。伝統的なガトーバスクには、このさくらんぼかカスタードクリームの何れかが使われているのが条件だそう。他の果物やドライフルーツ、様々な詰め物を使ったものもあるけれど、それは「ガトーバスク」とは呼べないのだそうです。「北海道カマンベール」を見ると顔をしかめるフランス人たち、伝統やappellationを頑なに守る姿勢は見習いたい。作り方はいたってシンプルなお菓子なので作業はサクサク進みました。コルドンブルーならではひねりがあるのかと期待していたわたし的には、正直いうと少し物足りないと感じました…
でも、シェフには色々質問ができました!
これまで疑問に思っていたことや、お菓子作りのコツを知ることができ嬉しかったです!
という訳で、長年憧れたコルドンブルーの敷居は意外と低かった!
パリで少し変わった体験をしたい方にはお勧めです。
仙台に戻って、習ったレシピを基に伝統のガトーバスクを再現しました。
2025年はどんな美味しいものに出会えるか?今からワクワクです!