
La Langue en Lumière
Posté par Philippe le 1 juin 2026À Quartier Latin Sendai, nous ouvrons une nouvelle classe... une classe de cinéma !
« La Langue en Lumière : apprendre le français avec le cinéma ».
Cet été, nous allons étudier :
La venue de l'avenir de Cédic Klapisch.
Chaque séance avance pas à pas : on regarde un petit extrait, puis on en parle, on reformule, on pose des questions.

Dans cette classe, pas de devoirs ! Et le cinéma devient un « manuel scolaire vivant », qui remplace les pages de grammaire abstraite ou les dialogues artificiels.
Les étudiants suivent une histoire continue, cohérente et attachante, avec des personnages qu’ils apprennent à connaître. L’apprentissage plus plaisant et plus motivant, et permet de revoir les mêmes structures et le même vocabulaire plusieurs fois, dans des contextes différents, ce qui renforce la mémorisation.
Il y a aussi un vrai bonheur à découvrir en classe un film français avant sa sortie au Japon, puis à le voir au cinéma en comprenant déjà les dialogues : on a alors l’impression d’en savoir un peu plus que les sous-titres.
Enfin, travailler avec un film donne un sens à chaque séance. Vocabulaire, grammaire, compréhension orale et expression orale sont toujours reliés à la scène que l’on a vue, au personnage que l’on suit. Les étudiants ont l’impression de progresser dans une histoire plutôt que dans une liste de règles. Ce sentiment de continuité, de fil conducteur, fait grandir la confiance et le plaisir d’apprendre le français.
Ce cours convient surtout aux étudiants de niveau A2-B1‑B2-C1, qui ont déjà une bonne base de grammaire et de vocabulaire, qui veulent progresser à l’oral et à l’écoute, et qui s’intéressent au cinéma et à la culture française. Mais il est également ouvert aux apprenants motivés, même s’ils sont encore un peu hésitants. Le plus important est la motivation !
Le cours dure une heure par semaine. Chaque séance commence par un rappel de l’histoire vue la semaine précédente, puis on regarde un petit extrait du film, on vérifie la compréhension, on travaille le vocabulaire, on reformule, on parle en groupe. À la fin du cycle, une séance spéciale est consacrée à la projection du film entier, suivie d’une discussion collective sur les personnages, les thèmes et le message du film.
Pour cette classe de cinéma, il faut aussi prévoir l’achat du DVD du film, afin de respecter les règles de légalité et les droits d’auteur. Quartier Latin fera un achat groupé en France pour tous les étudiants inscrits à la classe de cinéma : il faut compter environ 3000 yens par personne pour le DVD.
Une partie des scènes se passe à Paris, une ville riche en histoire, en art et en images. Dans le film étudiés, les étudiants croisent ou côtoient des figures importantes de l’art et de la photographie, comme Claude Monet, Pierre‑Auguste Renoir, Édouard Manet, Camille Pissarro, Alfred Sisley ou Édouard Degas.
Les étudiants peuvent aussi découvrir des photographes célèbres, comme Nadar, Charles Marville ou Eugène Atget, qui ont photographié Paris en transformation. Enfin, le film évoque les débuts du cinéma avec les frères Lumière et leurs premières projections au début du XXe siècle. Cela permet de mêler histoire, art et langage dans un même apprentissage.
À Quartier Latin, nous souhaitons proposer une approche du français à la fois exigeante, plaisante et vivante. C’est un gain à la fois linguistique et culturel.
Cette nouvelle classe de cinéma est une opportunité unique pour progresser en français tout en découvrant des œuvres modernes, sensibles et riches en images dans une classe joyeuse et séduisante.
Les inscriptions sont ouvertes pour le trimestre d'été.
Le calendrier, les horaires et le tarif sont ICI.

Paris, à fleur de mots
Il y a des voyages qui laissent une trace plus profonde que d’autres. À l’occasion des 20 ans de l’école Quartier Latin, nos étudiants ont flâné dans les rues de Paris et en ont rapporté des fragments de ville, des éclats de langue, des émotions subtiles. Ces textes en sont l’écho sensible. Philippe.
Le septième texte nous est offert par Yuko.
Merci Yuko !
J'aime de plus en plus Paris !
Posté par Yuko le 6 juin 2026Bonjour à tous, c'est Yuko.
Je suis allé à Paris il y a trois mois.
C'était ma première fois depuis que j'ai commencé à apprendre le français avec Philippe il y a un an.
Grâce à Philippe
À Paris, j'ai pu comprendre un peu de français et même parler avec les Parisiens.
J'aime de plus en plus Paris !
Je vais étudier plus de Français et je fais des économies pour retourner à Paris !
Yuko




ガスコーニュへ
Posté par Kumi le 16 juin 2026皆さん、WWOOF(World Wide Opportunities on Organic Farms)をご存じでしょうか
オーガニック農家であるホストが宿泊場所と食事を提供し、利用者は労働力を提供しつつオーガニック農法やエコロジーについて学ぶ、金銭のやり取りを伴わない交流システムです。長いこと気になってはいましたが、今や恒常的になりつつある円安ユーロ高に悩まされ、今年のフランス滞在をどうしたものかと考えていた私に差し伸べられたこれは救いの手!早速登録してホスト先を探すことに。
行きたい地域、興味のあること、学びたいことなどを入力して私にピッタリのホストを見つけました!
Jacques ! 1572年から続くぶどう農家のご主人で、現在は自然農法でワインを作っています。場所はフランス南西部ガスコーニュの田舎。ずっと行ってみたかった地方です。
フランス到着の翌朝早くTGVでパリを発ち、11時にはBordeauxへ到着。ここからローカル線に乗り換えるのだけど、待ち時間がたっぷりある。かといって、何が起こるか予測できないフランスで(笑)、駅から離れるのは冒険過ぎる… ここはワインで名高いかのBordeaux!小腹もすいてきたことだし、電車を待つ間に、一杯やるしかないでしょう!
駅の目の前のBouillonに迷わず飛び込みます!
Bouillonとは、日本でいえば大衆食堂。気軽にいつでも食事ができます。「安い」「早い」がBouillonのいいところ、この上「旨い」の三拍子が揃うかは未知、下調べがなければ運任せ。
でも私、おいしい店を見つけるのは得意なんです!この店構え、絶対当たりだ!
「Bonjour madame, 一人ですが、食事できますか?」
「Bien-sur, madame. こちらへどうぞ。どちらの国からいらしたんですか?とても素敵なアクセントなので。」
≪Très joli accent≫なんて、初めて言われた!うれしいなぁっ!!思った通り、いいお店!(笑) この旅、幸先よし!
さて、お楽しみのメニューを拝見します。
まずは、ワインリストを…
やっばっ!グラスワインが2.2€から!そして、パリなら12€はするシャンパーニュがなんと一杯4.6€!この地は極楽ですか!?
シャンパーニュは気になるけど、ここは地酒からでしょう、Cremant de Bordeaux一択!
なみなみと供されたグラスを傾ければ、口中で弾けるBullesの心地よさ。すっきりし過ぎず、今日のふんわりした空のような温かみも秘めている。
この美酒を味わいながら何を食べようか迷う時間、これを至福と言わずに何と言おう!

しかしながら、前菜は、迷わずフォアグラ!フォアグラと鴨料理はガスコーニュに来たかった大きな理由の一つです。 一人分がたーーーっぷりのフォアグラ。なんて濃厚なの!!

鴨料理とは決めていたけど、ConfitもあるCassouletもある。胃が四つある牛になりたい…!迷った挙句、主菜はMagret de Canardに。Magretとは、フォアグラ用に飼育された鴨の胸肉のことです。
そして、この店のMagretは予想を裏切る姿で登場しました。なんと塊肉!これまで、スライスで供されるMagret しか見たことのない私は不安になり一応確かめる。
「あの、私が注文したのはMagretなんですが…」
「Oui, madame. Magret ですよ。」
そうなの?
おそるおそるナイフを入れてみると…柔らかい!!
口の中では、更に柔らかい!そして何なんだ、この深みは!
こんなMagret 食べたことない!意識が飛んでしまいそうなほど美味!!

泡、白、赤と既にワインは三杯目。
フォアグラとたっぷりのフリットがのった一皿を戴いた後には、デザートの完食は難しいかも。フリットを食べなければまだ余裕があったのに、付け合わせを変えてもらうのを忘れるとは何たる不覚!(フランスのレストランでは付け合わせのジャガイモは調理法が選べるんです。お芋が苦手なら、サラダや茹で野菜に変えることも可。)
仕方ない。これから一週間、この地の美味しいものを味わえる時間はまだたっぷりあるのだ。デザートは次回の楽しみとしよう。
気が付けば発車時刻までそろそろいい時間。満腹のお腹とほろ酔いの好い心持で駅に向かいます。

Chez Jacques 一日目①
Posté par Kumi le 17 juin 2026
Bordeauxからローカル線で一時間。Aguillonの小さな駅にJacques は迎えに来てくれていました。
眼鏡の奥の瞳が穏やかなMonsieur、見ず知らずの人の家に厄介になるとあって、肩に力が入っていた私をリラックスさせてくれた優しい眼差し。
さあ、ここからフランス語漬けの一週間です!
車で少し走ると、ガロンヌ川が見えてきました。
「一か月ほど前、大雨が続いてね、川が氾濫して、この一帯は水に漬かったんだ。」
「大変でしたね、人的被害はなかったのですか?」
「それは大丈夫。よく水が出る地域だから、みんな慣れたもんさ。」
私は、まだ少し緊張して会話しています…
ガロンヌを渡るとやがて丘への上り坂、斜面には一面見事な菜の花畑!!この丘の小さな村Saint Leon にJacquesの家があります。

Bioの看板。Pichon はDomaine 名です。

プラタナス並木の先のJacques の家につきました。

背の高い男性が庭に居ます。
「2番目息子のJean-Baptiste だ。20年前、高校生の時10か月ほど名古屋に留学していたんだよ。」
ラッキー!日本語使える!
「こんにちは!久美です。日本語で話していい?」
「コンニチハ。ワタシハ、ニホンゴ、ワスレマシタ… 」
あー、そりゃ、そうだよね、20年フランス語使わなかったら、私なら何も話せなくなってる・・・
「あ、足元気を付けて!」
と彼に言われ、目をやると…ウサギ⁉ え?ひょっとして、死んでる?
「甥っ子んとこのウサギだったんだけど、言うこと聞かないっていうんで、彼が怒って叩いたら死んじゃったんだよ。大丈夫?ショックだよね?」
「うん、まあ、平気。あと、食べるんでしょ?」
「どうかな…君が食べるなら父さんが料理するかも。」
「食べるー♡」
出会うなり、ワイルドな会話しました(笑)
家に入ると、代々続く建物を改装してあるサロンには骨董品がたくさん。棚には、古い食器や銀製品。柱時計、もちろん、たくさんのワイングラス。そしてピアノ。



壁には写真や一族の催事に供された食事のメニューなどがたくさん飾られ、家族の歴史を感じさせます。

「ここが君の部屋だよ。」
今は亡き奥さまと、以前は民宿を経営していたというJacques、私の部屋には専用のバスルームが備え付けられていました!寝室も広々!うれしい!私ってつくづく旅に恵まれてる!

「じゃあ、ゆっくり荷解きして。私たちは下にいるよ。」
「ありがとうございます。仕事は何時から始めますか?」
「今日は日曜、仕事は休み。あ、それから、ここでは敬語は要らないよ。Tutoyerでいこう。」
ありがたい!!Vous で話すのは苦手なんです。
荷ほどきといっても大した荷物はありません、すぐに終わって降りていきました。
「Jean-Baptiste、そろそろ開票が始まるんじゃないか?Kumiと一緒に行って来いよ。」
ん?開票って?
「今週と来週はフランス全土で選挙があるんだ。」
統一地方選挙かな?
「でも、小さな村の開票所なんて興味あるかい?」
大ありですよ。外国の開票所にお邪魔できるなんて滅多にあることじゃない。
「もちろん!でも、部外者が入っていいの?外国人だよ。」
「誰が入ってもいいんだ。」
マジですか・・・?
「それに、君のその恰好だったら、日本から来たジャーナリストで通るよ^^」
スマホを持たない私は首からデジカメを下げていました。

Chez Jacques 一日目②
Posté par Kumi le 18 juin 2026というわけで、Jean Baptisteの運転で、村役場の開票所に行くことになりました。
彼は中学の社会の先生。
世界情勢や政治のことも詳しい。
「そういえば、現在の日本の女性首相、ちょっとやばいんじゃない?」
「ちょっとどころじゃない。めっちゃやばいよ。」
日本ではあまりできない政治の話ができるとあって、テンション上がります!
が、政治関連の話題は私のフランス語レベルだとかなりきつい。ボキャブラリーもあまり持っていないから、頭を使いすぎて会場につく僅かの間に疲労してしまいます(笑)
開票所は村役場の一室。それほど広くない場所にすでにたくさんの人が集まっていました。
「本当に入っていいの?」
「大丈夫。でも、撮影は遠慮した方がいいかな。」もちろんカメラは置いていきます。
中央のテーブルに係と思われる人が8人。そこを通り囲むように30人ぐらいの人が集まっている。
7,8歳の子供からお年寄りまで様々。
恐る恐る入室するも、特に咎める人もいない。
信じられない!本当に入っちゃったよ、日本だったら立会人だって申請しなきゃならないのに、ここはどこまでもオープン。流石は市民が革命を起こした国です。
すでに開票が始まっていました。
封筒の中に投票用紙が入っているらしく、その封筒から用紙を取り出す係、空の封筒を確かめる係、読み上げる係、またその用紙を確かめる係、記録係は4人。
投票用紙には最初からそれぞれ候補者名が印刷されています。有権者はその紙を選んで封筒に入れ投票するというシステム。
いやあ、そうあるべきだよねえ!
「日本では、投票者が自分で候補者の名前を書くんだよ。」というとJean Baptisteは目を丸くします。
「それじゃ、書き間違いや、判読できないものが出るだろ?どうするの?」
「それが問題なのよ。この間の衆院選なんか、無効票がやたらと出たし。」
300人ほどの住民のうち有権者は263名。投票率は62%!この数字、決して高いわけではないのだそう。日本の統一地方選ならいいとこ40%台…前回の仙台市長選なんて30%台だった…この関心度の違いは何なんだろう…?
そうしているうちにも村人が続々集まってきます。立ち見が出るタイミングで「そろそろ出ようか。」とJean Baptiste。
「すごく、興味深かったよ。これだけの人に見られていたら、不正なんてできないよねえ。」
「なんで?日本では不正があるっていうの?」
「いや、この目で確かめたわけじゃないから何とも言えないけど、日本の選挙システムが問題だらけなのは確か。そもそも莫大な供託金が取られるから、志はあっても簡単に立候補なんてできない。だから世襲議員ばっかりなんだ。その上長年一強で腐った与党をメディアが批判しないから、政権交代が起きない。革命の国フランスが羨ましいよ!」
「まあ、フランスだって政治の世界は闇だよ。あ、ちなみにこの選挙、僕も候補者だったんだ。」
「え、マジ? で、結果は?」
「見事当選!といってもほかに候補者がいなかったんだけどさ(笑)」
「わー!おめでとう!帰ったら乾杯しなくちゃね!」

Chez Jacques 一日目③
Posté par Kumi le 19 juin 2026「ただいまー!」
すでに我が家のように挨拶します(笑)さっきまでの緊張はどこへやら。
「やあ、開票所はどうだった?」
「すごく、興味深かったよ。日本の選挙とは全く違う!民主主義万歳だね!そうだ!偉大な息子ちゃんJean Baptiste議員の誕生おめでとう!」
「よし、乾杯だ!今日は特別なフォアグラがあるぞ!」
ほぉ、特別とは!?(お昼にも食べたのに!)期待が膨らみます!
食卓には、シャルキュトリと、山盛りのラディ、そのラディの葉で作ったスープ。フランス家庭の夕食ってとってもシンプルなんです。そして、もちろん、どの食材も全てBio。
さて、特別なフォアグラってどんなの?
「実は、私のばあちゃんが作った100年前のフォアグラなんだよ。」
「そんなのまだあったの?食べられるのかよ?」とJean-Baptiste
確かに、少し勇気がいるよね…
「心配いらない!昨日試食をしたけど、今日も元気だ(笑)」
D’accord, Jacques、あなたを信じますよ。
「今夜のワインはこれだ。」
フォアグラに合わせると言ったら、ボルドーの貴腐でしょう?
でも、Jacquesが持ってきたのは意外にもハンガリーのTokajiでした。
リタイア前は大きなワイナリーで仕事をしていたというJacquesは、フランスだけでなく世界中のワインに精通しているのです。
世界中の美味しいワインを知っていても、やっぱりフランスが一番!と、思っているだろう(と、私は思っている!)フランス人が勧めるのは絶対フランスワインだろうという私の予想をJacquesはいい意味で裏切ってくれました。
では、Tokajiと供に御年100歳のフォアグラをいただきましょう!
ドキドキ…
うん?フォアグラだ。(当たり前)全然大丈夫(ほっ)
美味しい!!濃厚!!でも全く重たくない。
このねっとりとした上質の脂身に絡みつくTokaji甘さ…最高のMariageです。
そして、100年物のフォアグラを食べた日本人は、現世で絶対に私一人だと確信する!!
ばあちゃん、Merci beaucoup!
「さあ、次は2025年のMerlot だ」
Domaine Pichon, もちろんJacquesが造ったワインです!
しかも樽から直接カラフに!あぁ、何たる贅沢!
若々しい色味。Merlotらしい穏やかで丸みを帯びた味わいが広がる。
紅いドレスにお色直しした花嫁さんが現れて、また極上のMariageが生まれました。
ばあちゃんが拵えたフォアグラが100年後、孫が造ったワインとテーブルに!
伝統が培った究極のTerroirの体験者となった夜でした。

作業開始①
Posté par Kumi le 20 juin 2026バターと香り豊かな森のはちみつをたっぷり塗ったTartine をいただいた後、今朝からいよいよ作業開始。
これは私のスケジュール表。今日はtaille、ブドウの木の剪定作業です

新芽が出てくる前に、古い枝を切り落とす必要があるのだそうです。
既に若芽が顔を出し始めている枝もあります。

でも、どの枝を切るべきかを説明されるもよくわからない。選別できるようになるには、大分経験が要るようです。
ので、Jacquesが剪定した枝を集めてまとめる作業が私の役目。それならできる!
フランスの朝は、日本より遅く明けてくる、9時でもまだ朝靄の中です。空気もひんやり、少し寒い。
Jacquesの畑は自然農法なので、木の周りの下草もそのままです。朝露を含んだ草の中での作業、しばらくするとスニーカーがじっとり濡れて、下半身から冷えが上ってきてしまう。長靴を借りてくるんだった…
剪定した枝の切り口をJacquesが見せてくれました。樹液が流れてきています。(写真では見えないですね…)

「『木が泣いている』と言われるんだよ。」
あぁ、美味しい果実のためとは言え、切られたくないよね…
そして、蔓はしっかりとワイヤーに絡みついていて、ここを離れたくないと言っているかのよう。

それをハサミでちょん切ってしまうのが私の仕事…申し訳なさが湧き上がってくる。
心を込めて作業するから赦してね、と謝りながら手を動かします。
ブドウ畑は丘の斜面に作られているので、一輪車を動かすのは力が要ります。気が付けばおひさまが高くなっていて、気温がぐんと上がってきました。汗が目に入ってきます。

「よし、今朝の作業はここまで。家に帰って昼ごはんだ。」
やった!
車に乗り込むと「少し遠回りしよう。」とJacques。
街道を離れ、森に入っていきます。
「Forêt des Landes、ランドの森だ。ボルドーの海岸まで続いている。ヨーロッパ最大の森だよ。」
ボルドーまで? 広っ! 130㎞ぐらいあるよなあ!
そうそう、思い出した!確か映画「動物界」の撮影に使われた森だって、フィリップが言っていた。
この森の一部はJacquesの土地なんです。
「土を見てごらん。ここは砂地だろう。でも、この先は…」
ほんとだ、数メートル先は黒い山土!砂はどこから来たの?
「海からも、アフリカの砂漠からも来る。」
松の木が多い。それと樫。これはもみの木?柳っぽいのもある。
ひときわ印象的な木を発見!樹皮の存在感がすごい。

「これはchênes-lièges、樫の一種だ。こいつからコルクを作る。」
へ?この皮から?
「そう、十分な厚さに育つまで10年はかかるが、樹皮をはぎ取った後も、また再生されるんだ。」
すごい!!自然の生命力もすごいけど、この樹皮を利用しようと考えた先人たちもすごい!


写真がピンボケでごめんなさい。

かわいい黄色い花が咲いている。

「匂いを嗅いでごらん。」
甘―い、いい匂い。この匂い知ってる!
「そう、ココナツだ。」
森は不思議にあふれていました。

作業開始②
Posté par Kumi le 22 juin 2026Jacquesが作ってくれた美味しいお昼をいただいて、そのあとはゆっくり。もちろん昼でもワインをいただきます。この文化、日本でも共有したい!

3時ごろから作業再開です。
午後になるとますます気温は上がっていき、加えて風が強く吹きつけてきます。この乾いた風が曲者。サングラスをかけていても目を直撃し、涙が止まらない… 異物が入った時のような痛みじゃないけど、とてもいや。こんな違和感、日本では味わったことがない。でもJacquesは平気そう。なんだろう?大気中の塵の成分が違うのかな?
一方、作業には大分慣れてきて、スイスイ進む。腰や膝を労わる動きも工夫できるように。でこぼこ斜面での一輪車もコツを掴みつつあります。のってきたぞ!
「さて、今日はこのくらいにしておこう。」
もう、そんな時間?夢中で作業していたらしい。
帰り道、家の近くで犬を連れた女性にJacquesが声をかけました。
「隣に住んでる姪のIsabelle だ。」
私を紹介してくれます。
「よければ一緒に散歩しませんか?」と彼女。
会ったばかりの私になんて優しい。喜んでご一緒します。
「ちょっと待ってて。今この草を置いてくるから。ウサギたちの大好物なのよ。」
昨日一羽お亡くなりになったうさちゃんの仲間たちね。
すぐに戻ってきたIsabelle はとても慌てている様子。どうしたの?
「スマホがないの!どこかに落としたみたい。」
大変!車通りは滅多にないけど、とにかく轢かれていないことを祈りながら彼女の通った道を辿るも、目につくところには落ちていません。
ふと、私もガラケー持っていたことを思い出しました。スマホを持たない私、フランスでは万が一のお守りにとガラケーを準備していました。でも、持っていることすら忘れがち(笑)。彼女の番号にかけながら道の端を見て歩くと… あそこ、光ってる!
「よかった!さっきウサギの草を取ったときに離したのね、きっと。」
お役に立てて何よりでした。
安心して散歩を開始。
周辺の、ブドウと麦、そして菜の花畑を眺めながらゆっくり歩きます。
畑と森と民家、それから広い空。その他には何もない。カフェもレストランもスーパーもない。清々しいほど何もない!




「この林には、鹿の親子が住んでいるのよ。時々姿を見せてくれるの。」
旅のこと、仕事や家族のこと、子供たちの未来について、健康に関すること、政治のこと、昨日の選挙についてetc, 話は尽きません。気が付くと村の出口まで丘を降りてきていました。こりゃ、帰りが大変だ!
選挙と言えば、あなたの従弟、当選おめでとう。
「Merci, 実は私も立候補してたの。彼と同じでほかに候補者がいなかったので、当選よ。」
おめでとう!これからどんなことをやっていきたいの?
「私の担当は高齢者支援、この村には一人暮らしのお年寄りが多いのよ。」
どこの国でも田舎の高齢化は進んでいるのですね…
「ちょっとBernadetteのところに寄りたいのだけど構わない?彼女も一人暮らしなの。」
もちろん。
仕事を持っているのに行政にも挑戦、誰かの為に自然に行動する彼女をとても素敵だと思いました。
「あら、見て!私たちもう8kmも歩いたわよ!」
彼女のスマホには8.26kmと表示されていました。

Atelier de vin Jacquesのワイン講座
Posté par Kumi le 23 juin 2026
今日のTaille作業は樹齢40年のCabernet、昨日とは別の畑です。
基本的には昨日と同じことをします。
「キリのいいところで適当に切り上げて、昼に家に戻っておいで。」
作業を任されます。風は辛いが、最高のお天気と最高の眺めを独り占めしながらの仕事は楽しい!

Isabelle の犬、ヨーシュールが時々励ましに来てくれます。
時間がわからないけど、もう2列がんばろう。サルサを聴きながら、腰が辛くなったらちょっと踊って腰回りをほぐして作業を続けます(笑)
「あぜ道まで出ずに、麦畑を突っ切って構わないよ。」
麦は踏まれて強くなるというけど、大丈夫かな?
私の心配をよそに、ヨーシュールが畑に入っていくので、彼について麦畑に入っていきます。
ここは、犬も人も、自由だなあ!
今日のお昼は、Lapin braisé! はい、あのうさちゃんです。

ホロホロ崩れるぐらいに柔らかく火が通っていて、しっとり。
Lapinって少し身がパサつくと感じていたこれまでの印象をがらりと変えてしまいました。
秘訣は何?
「Graisse de canard で調理することかな。」
鴨油!流石はガスコーニュ!
Jacquesは、bon cuisinier! シンプルで美味しいものをササっと作ってくれます。
そしていつも食事の時には、Jacquesがワインについて色々教えてくれます。
Salle à mangerに並べられた数々のグラス。ちなみにDégustation 用のサロンも別にあります。

壁にはVignobleの地図。

これは今日勉強したこと。(私の聴き取りできた範囲ですので、専門家の方、間違いがあれば教えて下さい。)
17世紀、フランスのブドウ畑は、Philloxeraと呼ばれる害虫によって壊滅的な被害を受けました。
これは、コロンブスのアメリカ発見以降、大陸から持ち込まれた根に寄生する虫が、ブドウの木全体を枯らしてしまう病気です。フランスだけでなく瞬く間にヨーロッパ中に広がりました。やがて、アメリカ産のブドウの木にはこの病気への耐性があることがわかり、アメリカ産のブドウの根に、フランス産のブドウの枝を接木して、この難を乗り越えることができたそうです。現在、栽培されているブドウの木たちは、すべてこの方法で生き残ってきたものとのこと。
でも、そのブドウはもはやフランス産とは言えないのでは?果実の味は変わってしまったのでは?
「接木で生きたブドウはその根がアメリカ産のものであっても、接木がCabernetならCabernet になるんだ。風味は変わらない。」
そうなんだ。不思議。ここから先は植物遺伝学の領域ですね。
また、Cabernetの木は、挿し木(bouture)でも育つが、10年で枯れてしまうそう。なので、接木(greffer)による栽培が一般的なのだそうです。
「さあ、今日のアトリエはここまで。明日はMarché、出発は6:20だ。」
Marché ! わくわくで眠れないかも。
。

Marché Bio
Posté par Kumi le 24 juin 2026まだ明けぬ朝早く、車に荷物を積み込んでVilleneuve-sur-Lot に向かいます。
高速道路にのってしばらくすると東の空が橙色に輝いてきました。
梅の花のような白い花をたくさんつけた木が道路の両脇に植えられています。
「prunierだ。この辺りはpruneauxの一大産地、あそこに見えるのが加工工場だ。」
収穫期にはプルーンのいい匂いに包まれるそうです。
一時間ほどで、Villeneuveに到着しました。
ここは、フランスで一番古いMarché Bioです。こじんまりしたかわいい市場です。

Jacquesの小さなスタンドはあっという間に準備完了しました。
「お客さんが来るのは9:30過ぎからだ。それまで街を散歩しておいで。」
お言葉に甘えて、街に出かけてみました。
MarchéからすぐのLot川に架かる橋からの眺めがすてきです。


こんなボードを見たら入ってみたくなりますね。

こちらは大聖堂。

一時間ほどぶらぶらしてMarchéに戻ると、他のスタンドも準備ができていました。
さあ、張り切って売るぞ!
気合十分な私に
「ここに来るお客は常連さんだから、ただ静かに店番していてもらえばいいよ。」とJacques
へ?呼び込みは?
「必要ない。押しつけがましいのは好きじゃないんだ。」
そうなんだ。
持ってきた瓶を全部売り切る気満々だった私は少々出鼻を挫かれました。
でも、Jacquesらしいじゃないですか。すぐに切り替えてゆったりとお客さまを待つことに。
周りのお店に話を聞いたり、お客さまと話をしたり
シェフは、お隣のチーズ屋さんの店番をしています(笑)
お向かいコスメ屋のSergeのお店で、Parisの義妹にお土産を買いました。
白いイソギンチャクみたいなキノコも購入。Crinière de Lion 「ライオンのたてがみ」という名。
オマールエビの味がするんですって!それとアルツハイマーに効果的な成分が入っているとか!
さて、私たちのお店。
今日持ってきたのはワイン6種類。それから量り売りのアペリティフとワインヴィネガー。
量り売りはお客さまが持ってきたボトルの口ギリギリまで注ぎ入れます。ボトルの大きさが大小様々なのですが、
どの大きさでも口ギリギリまで。もう値札つけなくていいんじゃないですか(笑) そこが人気の秘訣なのか、両方とも早々と完売しました!


お客さまが切れると、Jacquesのスタンドに店主さんたちが集まってきます。
「Kumi, グラスを用意して。」
Oui Chef!これからDégustationがはじまるのね。
シェフは一本開けると、グラスに注いで… なんと、店主さんたちに!私に!そして自分にも!
えーーーー?それってお客さまの試飲用じゃなかったの??(笑)
お肉屋さんは、Saucissons を一本持ってきて、それを八百屋さんがスライスして、パン屋さんからパンを調達してきて、アペリティフの始まり!
自由過ぎる!
舞台俳優もやっているというお総菜屋さんは「Notre-Dame de Paris」を歌いだし!


楽し過ぎる!
とっても素敵な時間でした。

トリュフとCrédit Agricole
Posté par Kumi le 25 juin 2026
「トリュフをどうやって見つけるか知ってるかい?」
ブドウ畑で作業中、Jacquesが訊ねます。
もちろん。トリュフ探しと言えば、豚か犬でしょ?
「違うんだ。」
「1月から2月にかけて、この木の周りでもトリュフが採れるんだが…」
え?ここ?森の中じゃないの?
「可能性は低いが、まだ残っているかもな。草の生えてないところをよくごらん。何か気が付かないか?」
うーーーん、特には、アリとハエがいる、ぐらいかな。
「そう、ハエだ。奴が止まって静かにしている箇所がトリュフの在り処だ。」
マジで?
ハエの動きを追って真剣に探すも、ハエはなかなかじっとしていない。
ここぞと思うところを何か所か掘ってみたけど、トリュフは見つかりませんでした…
「ハハッ!Kumiがいればハエも犬も要らないな。」
地面に鼻を付けんばかりだったらしい(笑) 1月にまた来ようと思いました。

「今夜はCredit Agricoleの集まりに行こう。まあ、退屈だが、その後のビュッフェはなかなかだぞ。」
私、行っていいの?CAの口座ならうちも持ってるけど。
「それなら立派な株主だ。」
途中、Jacquesが薬局に行くというので、私も目薬を買うことにしました。
Damazan の町の中です。日用品の買い物にはこの町まで出ます。



家とは反対側の山にJacquesが連れて行ってくれました。
駅のある街AguillonはLot とGaronne 二つの川が出合う場所、その尖がった形(aguille)から名付けられたそう。
Saint Leonの丘も見えました。

さて、CAのréunionです。
地元の人たち50人ほどが集まっていて、既にプレゼンが始まっていました。
みんな一生懸命、私もなにがしかは聴き取ろうと頑張ってみるも、厳しい… この地方の訛りもあるので更に厳しい…
最後のプレゼン者の女性は、とても緊張していた様子でした。仕事への強い思いが伝わってきます。でも、途中言葉が続かなくなってしまい…「頑張って」と声を掛けられます。ここ一番という時の緊張は誰しも同じく抱えているのですよね。落ち着いて!頑張って!と私も心で唱えます。彼女のプレゼンが終わるとひときわ大きな拍手。温かな会場でした。
réunionが終わるとお楽しみのビュッフェ!
見てください、このシャルキュトリたち!

ワインはもちろん地酒Buzet, デザートまで出ます。皆楽しそう。

メインのお肉は外で焼いてくれました。
初めて食べた鴨ハツが美味しすぎてびっくり!適度な歯ごたえが何とも言えません。
私が何度も褒めるので、シェフが山盛りにしてくれました!
C‘etait exquis !
ごちそうさまでした。

Dégustation émotionnelle
Posté par Kumi le 26 juin 2026
今日はDégustationの日。
以前、Jacquesが勤めていたワイナリーで試飲会があるのです!
彼にスケジュールを聞いた時から、予定表に二重丸つけてました!
わくわくで出かける準備をしていたところに、Jacquesの声。
「Kumi, 急いでくれ!開始時間を間違えた!」
えーーーー?慌てて、カメラを持って玄関を出、鍵を閉めようとする私に、
「開けっ放しでいい!」とJacques。
大丈夫なの?よっぽど時間ギリギリらしい(笑)
車に飛び乗りました。
「今日の試飲会の説明をしておこう。これは2026年版のGuide Hachette des Vin に掲載するワインをセレクトするためのものだ。」
Guide Hachette !? あの有名なワインの評価誌?
じゃあ、プロの試飲会じゃない!勝手にアマチュア向けの場だと思いこんでいた私は急に気後れしてしまいます。
そんなところに恐れ多くて行けないよ!
「いいんだ。彼らはtechniqueで評価するが、君はémotionnelleで評価すればいい。実際にワインを味わうのは、プロだけじゃない。君のようなワイン好きがどういう視点で評価するかも彼らにとっては興味深いんだよ。」
なるほど。それなら、私なりにやらせていただきます。
ギリギリだったけど何とか遅刻せずに会場入り。
到着するなりDégustationは開始されました。
テーブルは4つ。それぞれ別種のワインを評価します。
私たちのテーブルは2024年のMarmandais。
恥ずかしながら、Marmandaisというアペラシオンに初めて出会いました。
ラベルに番号だけ書かれた10本のワインを味見します。

チェックシートには色や濃淡など視覚による特徴、香り、そして味について書き込む欄のほかに、飲み頃についてもチェックする欄があります。さすがはプロの試飲会ですね…
最終的な評価は6段階。お勧めの一本にはCoup de cœurにチェックを入れます。
さて、番号の若い順から味見していきます。
34番。
白い紙の上で、色具合を確認。マットな赤だ。
香りは、青い果物みたい。
味は、見た目の印象よりタンニンが強めだな…あ、飲んじゃった。(美味しい^^)
本来は飲み込まずに吐き出して、パンと水で口を直し、次の味見に移るのですが、どうも人前で吐き出すという行為に躊躇してしまう私。
そして、ブドウ作りの一端を垣間見た私には、作り手さんたちの苦労や喜びがもう他人事とは思えず、その結晶であるワインを吐き出してしまうということに、心が痛んでしまったのです…
同じ思いは評価欄にチェックを入れるときにも邪魔をしてきます。
できることなら、全部に5をつけてあげたい。ちょっとこれは…と感じた一本にも1や2をつけるのは忍びず、愚図愚図している間に、時間はどんどん過ぎていきます。
というのも、制限時間が結構タイトで、迷わず直感でサクサク行かないと、時間内に全部を評価することはできません。プロの皆さんは無論そのあたりを弁えていて、「作業」という感じでさっさと進めます。
「彼らはDégustation technique, 君はDégustation émotionnelle」と、Jacquesが言った理由を実感しました。
それでも何とか全部を評価し終えました。
ここからは、全員で最良の2本を選び出す作業です。
6段階評価のどれを付けたかをそれぞれが発表します。評価は、ほぼ一致するものと、全く極端なものに分かれるのが面白かったです。評価が分かれたワインはキャラが強いものが多く、判断の基準は「良し悪し」ではなく「好きか嫌いか」しかない。評価って本当に難しい。その上、ブドウそのものにとっても2024年は難しい年だったらしく、もちろんそれはワインの出来にも大きく影響を与えたのでした。
結局私がいいと感じたワインたちは、選抜されませんでした…
最後にチェックシートが回収されます。
「??」回収に来たMonsieurの顔に?マーク。
私の書き込みが日本語だったから(笑)
「ピアノの毛氈のような紅」とか「夏の朝の湿った草」とか、自分でもよくよくémotionnelle でした^^
セレクションが終わると、他のテーブルのワインを味見して、ダルタニアンの子孫だというMonsieurとお話しました。今は大きなシャトーの持ち主です。

お弁当もでました。

隣接するブティックと工場をJacquesが案内してくれました。
お手洗いに行って鏡を見たら、歯が真っ黒でびっくり!!
本当に貴重な体験をさせていただきました。
Merci beaucoup Jacques!
家に帰ると、夕方、ソラマメとスナップエンドウの種を植えました

自然農法ってすごいでしょ?これが畑、あるがままです^^

今日は金曜、Jean-Baptisteと夕餉を一緒にいただくので、Marchéで買った「ライオンのたてがみ」をソテーしました。

オマールエビの味はしなかったな…
